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浅香弘能が発表するのは、硬く重い大理石という素材を用いていながら、一見すると発泡スチロールにしか見えない彫刻作品です。
人の視覚的なイメージと実物の間に存在するギャップを強調し、「リアルとは何か」という問いを投げかけています。

「KASHOUMON-The Truth-」
2024年
空間サイズ
大理石、発泡スチロール

 

目に見える物質的存在は実体なのか無実体(仮象)なのかー。
そんな問いから生まれた「仮象と錯覚」というコンセプトをもとに制作している「KASHOUMON 」シリーズ。

「目の前に見えているものだけが見るべきすべての真実ではない」。

この作品は古代ギリシャの哲学者プラトンのイデアでいう「現象」に対する「仮象」と錯覚というコンセプトをもとに「真のリアルとはなにか」を追求した彫刻。
硬く重い「石」という天然素材を用いているにも関わらず石とは真逆の性質である、まるで柔らかく軽い人工素材の「発泡スチロール」のように見える。
つまり、人間の脳裏にある視覚的、触覚的、重量的な固定概念をくつがえすような視覚的効果を利用した超写実的な具象彫刻ともいえる。
デジタル化が進む今、作品と対面する機会は減り、実物を観て触って確認できない場合、画面から見えるのはただの発泡スチロールでしかない。
だが、現実は石の彫刻である。
人は見てイメージするものと実際の物は必ずしも一致しない。
我々が見ている視覚から入る情報は本当に正しいのかという疑問。
それは真のリアルといえるのだろうか。

これからAI の発達により人間は自分の脳で考える必要がなくなる。
石と発泡スチロールという対極にある素材を一つの作品として表現することで、
人は視覚的、触覚的に感じるイリュージョンにより脳が揺さぶられ認識のズレが生じて真のリアルを感じる。

不変に近い素材である石で出来た発泡スチロールを見て触って遥か遠い数百年、数千年後の未来人は何を感じるのであろうか。
発泡スチロールは樹脂を膨らませたものだが、人類のゴミ問題は深刻でありその一つに大量生産された樹脂製品と大きく関係がある。

天然の石で作ることで環境問題への提示の一つとしたい。
人工と天然、物質と物質、現在と未来に対峙し現実に見える世界は「仮象と錯覚」に支配されているのではないか。

2024年05月20日(月) -  2024年05月31日(金)

11:00~17:00
※土曜は完全予約制となります。
※日・祝休み

〒104-0061 東京都中央区銀座5-14-16 銀座アビタシオン2階
Tel:03-3546-7356
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