Exhibitions

SEIZAN GALLERY TOKYO 凸では、作品そのものにフォーカスし、作家の渾身の1点を展示致します。
2021年の始まりを飾るのは、フランスの作家ALBEN(アルバン)。誰もが知る有名なアイコンを用いて、その中身を異なる要素で構成したユニークな作品をご紹介致します。

「Gun Vader」
2017年
h90×42×27 cm
樹脂、トイガン

 

フリーマーケットやガレージセールを見て歩き、作品の素材を探すことから私の制作は始まります。日々の生活の中で廃棄されるものから社会そのものを見つめ、その廃棄物を社会の産物として捉えると、次第にそういったものと社会の関係性についての考察にたどり着きます。
新石器時代に生産された土器-焼成し土の分子構造を変化させてつくられるもの-は当時の階級社会の中で身分の違いを表すものとして使われ、そして人類史上初の廃棄物となりました。
今日、その土器(=廃棄物)は、私たちが当時の文化や生活を知る為の手がかりのひとつとして考古学者の研究資料となっています。

私は「現在」を研究する考古学者のようなものです。現代社会に生まれ存在するものを注意深く観察し、そこにある矛盾に目を向けることによって人類の複雑さを表現しています。

賞味期限切れのものは、一時的に「廃棄」「リサイクル」「リユース」という複数の可能性を持つ生産物となります。私は、その背後にある形跡や代替不可能性を取り上げ、その中にある「過去に存在したけれど二度とあらわれることのないもの」を見つけ出したいと思っています。

スターウォーズの世界は、一見、無限の多様性があるように見えますが、実は普遍的なテーマに基づいています。見る人はありふれた二重性の中で感情や価値観を揺さぶられます。

スターウォーズの世界において最も興味深いキャラクターはダース・ベイダーでしょう。エピソード4・5・6では恐怖と憎しみの象徴として、エピソード1・2・3では複雑なトラウマを抱える子供及び青年として描かれた彼は、見る人の共感を誘う様々な要素を持っています。

「Darth Vader Plastic Guns」の制作は、黒いオブジェを探しだすところから始まりました。黒はダース・ベイダーというキャラクターを象徴する最も根源的な要素と考えたからです。また、幼少期に彼が心に受けた傷についても表現したいと思いました。父親のいなかった彼は、物心がついた頃から奴隷である母親を支え、また自身も奴隷として厳しい生活を過ごしました。この体験は、ダース・ベーダーが大人になった時、捨てられることへの恐怖へとその姿を変えます。

私がフリーマーケットを訪れる時、具体的な何かを探す事はなく、その場での発見を大切にしています。その際、私がとてもよく目にする男の子のおもちゃがプラスチック製の拳銃です。この拳銃を何層にも積み重ねた何の危険もない作品は、ダークサイドに落ちるダース・ベーダーがメタファーとなっています。

ダース・ベーダーは彼自身が武器なので拳銃なんてものは必要ありません。

2021年01月08日(金) -  2021年01月29日(金)

11:00~17:00
※土曜は完全予約制となります。
※日・祝休み

〒104-0061 東京都中央区銀座5-14-16 銀座アビタシオン2階
Tel:03-3546-7356
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