梶岡の作品は水張りした麻紙の上に大胆な墨のタッチと細密に塗り込まれた鉛筆の線で幾層もの黒を重ねることで生まれる。
梶岡が現在のスタイルを意識しはじめたのは10代も終わりの頃。ある日の夜、川にかかる橋を渡る途中で、ふと水面を見下ろすと目の前が真っ暗になる感覚を憶えた。
自身の存在の不確かさを強く意識させられたその体験は、それまで日本画の空気感にあこがれ、花鳥風月など伝統的なモチーフを描いていた梶岡を、闇のなかに溶け込む光とぬくもりを描き続ける作家と変えた。
近年ニューヨーク、パリと活動の場を広げる梶岡の表現する静謐な生命の蠢きをご体感下さい。
「音」
2020年
S30号(h91 x w91cm)
麻紙、墨、墨汁、鉛筆
深夜の水面。なめらかな波は静に揺らぎ、闇夜の空を映す。
何も無い空間は、揺らめく闇で満たされている。
2020年07月17日(金) - 2020年08月31日(月)
11:00~17:00※土曜は完全予約制となります。
※日・祝休み
※夏季休廊期間 8月8日(土)から8月16日(日)
作家在廊予定日:7月17日(金)
〒104-0061 東京都中央区銀座5-14-16 銀座アビタシオン2階
Tel:03-3546-7356
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