様々な紙を組み合わせ、厚みのある立体的な作品を制作する中村彰良。その伝統的な柄を多用しながらもポップな作品は、高い評価を獲得しています。
今回の展示では新年に向け、来年の干支である力強い龍をモチーフにした作品を展示いたします。
豊かな色彩が生み出すパワフルな画面と親しみやすさが共存した作品にご期待ください。
「羨玉 ー黒龍ー」
2023年
h107×w60×d2.5 cm
和紙、洋紙、焼金、土佐和紙(1点染め)
絵の具や筆を使わず紙のみを用いて切り絵や貼り絵、ちぎり絵を混合させた独自の技法で作品を描いてきました。
紙の種類の中でも取立てて和紙は、多種多様でまだまだ沢山の可能性を秘めていると感じてやみません。〝紙彩画〟と称した分野において世界に誇れる日本独自の伝統的製品は、もはや私の作風に欠かせないツールでありアイデンティティの要素でもあります。
これまで紙彩画家として活動してきた中で幾度となく幻獣を描いてきました。
和紙の持つ質、色、柄が、そのようなモチーフにも昇華できたのは、古より継承されてきた日本独特のアレンジや構成、思想などが脈々と吹き込まれてきた由来にあるからだと感じております。
そして、今回のモチーフとなる悠久の歴史を持つ龍は、永きに渡り神使と崇められてきた普遍的な祈りの〝形象〟と〝象徴〟と言えます。
混沌とした今世に生きる私の内なる祈りの〝形象〟を持ち得る知と材と技を惜しみなく傾注し具現化しました。
ー 孤高に煌めく金月と宝玉とを重ね映し、羨望の眼差しで高みを見据え飛昇する黒龍 ー
様々な紙々が宿り可視化された幻獣 ー黒龍ー をこの機会にぜひご堪能ください。
2023年12月08日(金) - 2023年12月20日(水)
11:00~17:00※土曜は完全予約制となります。
※日・祝休み
〒104-0061 東京都中央区銀座5-14-16 銀座アビタシオン2階
Tel:03-3546-7356
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