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学生のころ、春という季節は苦手でした。寒くなったり暖かくなったりする気候が、いかにも人を浮き足立った気分にさせ、不安定で、そこで満開に咲き誇る桜などを見ると気持ちがざわざわとして落ち着きませんでした。
しかし、大学院を修了した時、極寒のアトリエで修了制作を描き終え、論文からの開放感と学生ではなくなる緊張感の中で迎えた春には、それまでと全く違う感覚を覚えました。空気が温み、花がほころんでいく様子が心の底から嬉しく、これを春の喜びというのか!と思いました。それ以降は春になると、一斉に咲き出す花をスケッチするのに忙しくなりました。梅、桜、木蓮、柳の芽や、菜の花などが良いです。 (武田裕子)

プロフィール

1983 東京都生まれ
1990~95 中国北京 在住
2007 東京藝術大学 美術学部絵画科日本画専攻 卒業
2012 東京藝術大学大学院 文化財保存学専攻保存修復日本画 博士後期課程 修了
2013 平成25年度ポーラ美術振興財団在外研修員(中国)
2014 中国美術学院 中国画系花鳥画高級進修生 修了
現在 東京藝術大学大学院 非常勤講師
【主な個展】
2011 「武田裕子展」(アードスペース羅針盤、東京)(’12)
2012 「武田裕子展」(f.e.iアートギャラリー、神奈川)
2013 「−けはいのつぶ−」(ギャラリー・ウーゴズ、東京)
2015 「武田裕子 日本画展-日と月の庭-」(靖山画廊、東京)
2016 「武田裕子 日本画展-日と月の庭-」(仙台三越、宮城)
2018 「武田裕子 -花見ルところ-」(靖山画廊、東京)
「武田裕子日本画展」(仙台三越、宮城)
2020 「呼吸するけしき」(日本橋三越、東京)
2022 「おくのもりへ」(Gallery Concept 21、東京)(助成:東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京/吉野石膏美術振興財団)
「瞬くけしき」(仙台三越、宮城)
 【主なグループ展】
2009 「第57回東京芸術大学卒業作品展」(東京)
「日本の画展」(GREEN ART TEAM masuii R.D.R、埼玉)
「新樹会」(日本橋三越、東京)
「有芽の会」(池袋西武、東京、~’11)
2010 「日本の画展」(ギャラリー健、埼玉)
「第19回奨学生美術展」(佐藤美術館、東京)
2011 「東京藝術大学大学院博士審査展」(東京藝術大学大学美術館、東京)
「たいせつなもの展」(靖山画廊、東京、’16、’17)
2012 「Young Art Taipei」(台湾)
2013 「覚の会 ~古典技術~(彫刻×日本画のコラボ企画)」(靖山画廊、東京、’17)
「線の会」(靖山画廊、東京、’15)
2017 「ポーラ ミュージアム アネックス展 -感受と創発-」 (POLA MUSEUM ANNEX)
「アートフェア東京」(ポーラ美術振興財団ブース、東京国際フォーラム、東京)
「武田裕子 四宮義俊 二人展」(東京)
2018 「アートフェア東京」(靖山画廊ブース、東京国際フォーラム、東京)
「文保日展」(東京藝術大学大学美術館陳列館、東京)
「楚楚〜ものいう花〜」(日本橋三越、東京)
2019 「ザ・レッド -女-」(靖山画廊、東京)
2020 「ビクトリーブーケ展」(佐藤美術館、東京)
2021 銀座ESKIWAコラボレーション企画「ハルフルハナノコエ」(HYPERMIX、東京)
「このまの会」(耀画廊、東京)
「FROM—それぞれの日本画—」(郷さくら美術館、東京)
 【パブリックコレクション】
東京藝術大学大学美術館、山梨学院大学アートコレクション、光明院(神奈川)、郷さくら美術館(東京)
 【主な受賞】
2007 「佐藤太清賞公募美術展」入選(東京・横浜・京都)
2008 「前田青邨記念大賞展」入選(岐阜)
「再興第九十三回院展」初入選
2010 「春の院展」初入選
2011 三菱商事アートゲートプログラム(第13回、14回、15回)入選
修了制作「野村美術賞奨学金」受賞
2016 Seed 山種美術館日本画アワード2016 入選(山種美術館、’19)